![](http://tomtom01.com/wp-content/uploads/2020/04/c514b98a3baf18cb79f9adf7874499d4_m.jpg)
- 第0章 ストレスを避け続けた人生。イヤだった営業でトップ成績に。
- 第1章 小1で刷り込まれた人に注目されるという恐怖。
- 第2章 高卒で働くことを決意したお金がないという現実。
- 第3章 間違って入ったIT企業でエンジニアになる。
- 第4章 今日からお前はプロの営業だ!ってなにそれ? ←今ココ
- 第5章 会社のために利益をだそうと無理に頑張った成れの果てが。
- 最終話 もっと自分の人生を歩きたいと思った。
「エンジニア」と聞いてどんなイメージをされますか?
賢いイメージ?かたいイメージ?
広く薄暗い事務所の中で、画面の明かりで浮かび上がる青白い顔、
カタカタとキーボードの音しか聞こえない。
そんなイメージでしょうか?
エンジニアとは「技術者」のことですよね。
私が就職して仕事にしていたのは、「カスタマエンジニア」。
お客様である企業に訪問しそこで利用されている「コンピュータの修理、点検」をするというものでした。
「保守員」とも呼ばれていました。
当時は世界的な大企業からコンビニ、化粧品屋、宝くじ売り場、
郵便局、銀行、証券会社、お役所など、様々なところに出入りしていました。
修理の作業開始時に、症状などをしっかりヒアリングして、
マニュアルを参照し故障箇所を推測して、対象部品を交換する。
そして、テスト動作確認。
もし正常動作しなければ別の疑わしい部品を交換する。
働くことの楽しさを感じる
当時この仕事は「とても好き」でした。
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プラモデルなど「組み立てる作業」も好きだったので、機械をバラして組み立てるというのは、
とても楽しいと思えたんですね。
難しい障害を一発で直せた時は、「ガッツポーズ」。
入社したてのころは、コンピュータが壊れてもお客様に怒られることはなく、
直すことで感謝されていました。
感謝されることがとても嬉しかったですし、人の役に立っているという実感。
そして、自分が好きなことを仕事にできていると実感できたからです。
天職だと思えました。(事業内容知らなかったくせに笑)
それでも最初のお客様に訪問するときには緊張します。
社会に出ても、なかなか「人見知り」は治りません。
どうしてもお客様と会話をすることは避けられないのです。
医者が患者の症状を確認するように、機械の故障状況をヒアリングするため、
訪問した時と完了報告ではコミュニケーションをとる必要があるんですね。
時代の流れとともに仕事が厳しくなる
ところがです。
時が流れ時代が移り変わると、業務でパソコンを使うことがが当たり前。
パソコンが壊れることで怒られるようになるのです。
そして、直して当たり前。
怒られても感謝されることはなくなりました。
一昔前と比べると機械の単価も下がります。
すると業務の効率化のために導入数も多くなり、部品も安価になるため故障率も上がります。
業界の価格競争もさらに激しくなりました。
人の都合で振り回され、修理のために街中駆けずり回り、急いで修理しても怒られる。。。
一緒に仕事する人の仕事の効率が悪いと、イライラする。
一番の下っ端だったので異常なほどに優先的に仕事が回ってくる。
日々仕事に追われることで、どんどん疲労も溜まるしつまらない。
つまらなくなることに苛立ちを感じるようになってきました。
モチベだだ下がりです。
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そんな折に、大きな分岐点が訪れます。
とあるプロジェクトに参加しないか?と打診があったのです。
「やります!やります!」
今の状況から抜け出すためには渡りに船。
それは、世界的に有名な企業のネットワーク再構築というものでした。
いわゆる”SI”と呼ばれるシステムインテグレーション事業です。
ネットワークエンジニアとして、なんの経験もないのに手を挙げてしまうという浅はかさ。
ネットワークエンジニアとは、複数のネットワーク機器を個々に設定して、それぞれを正しく機能させ、
全体の通信を設計通りに機能させることを仕事とします。
どこか「モノづくり」に通じるものがありますよね。
私は個々のネットワーク機器の修理はしたことがあったのですが、
なんとなく触ったことがある程度のレベルでした。
ここからが私の勉強の始まりでした。
さらに厳しい世界への第一歩
全くの未知の世界。
作業室の中で当たり前のように飛び交っている用語も意味も全くわからず。
プロジェクト会議に出席しても、終始チンプンカンプン。
仕事が終わってからも、用語を調べまくり、
覚えて理解できるようになるまで勉強、勉強、勉強。
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ネットワーク機器がどんな設定でどう動くのか、どう設定を変えるとどう動きが変わるのか、
トライアンドエラーの繰り返しの日々。
約6ヶ月のプロジェクトが終わるころには、かなりのネットワークスキルと知識が身についていました。
私にとっては苦しい日々でしたが、ラッキーな時間だったと思えます。
逃げたい一心で参加を決意したプロジェクトですが、行動を変えることで世界観は確実に変わりました。
ついに一番避けたかったはずの仕事へ
そんなスキルと知識を身につけた私は、会社からすれば貴重な存在に変わりました。
プロジェクトが終わると同時に告げられた事が、
「お前は明日から営業になれ!」
です。
ゾッとしました。
避けてきたはずの営業という仕事を結果的に選択しているという事実。
本当にイヤでした。
素直に受け入れることができませんでしたが、保守員に戻ることも避けたかったので、
とりあえず営業をやることを決意します。
「まぁ、やってみるか」
そんな程度です。
でも、どんな活動をすればいいのか、全くわかりません。
分かるわけもありません。
そりゃそうですよね、やったことないんだから。
「営業ってどうやってなにすればいいんですか?」
右も左もわかりませんので、普通に営業の先輩に質問し、また愕然とします。
「自分で考えるんだよ。」
「お前は営業のプロなんだから。」
「オレも昔はそうやってきた。」
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
なんて言った?
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「うそでしょ!?」
声が出そうでしたがなんとかグッとおさえ込めました(押さえたはず・・・笑)
やり方も方法もわからないのに、私になにをしろと?
しかも人見知りだし、コミュニケーション苦手意識あるのに。。。
「ふざけるなよ!」
と心の奥底で怒り狂いました。
「大企業なのに、蓄積したノウハウねえのかよ!」
「個人個人で調べたり勉強してたら時間がじゃねえか!」
「どうやったら売れるのかわからなかったら時間がもったいねえじゃん!」
なんて言えない・・・。
実際に言ってしまったら大炎上でしょう。
次なる勉強の日々
誰にも相談もできず、自分で調べて考えるしかありません。
そんな中でも、協力会社だったり、他社だったり、書籍だったり、
学ぶ相手を会社の外に求めて、自分なりに学びました。
普段の生活の中でも、
「この人からは買いたいな」
「こいつの説明聞いてると買いたくないな」
などと営業マンについて研究しました。
営業活動をするにあたっても、トライアンドエラー。
うまくいったときは「なぜうまくいったのか?」
うまくいかなかったときは「なぜうまくいかなかったのか?」
自分なりに研究し続けていました。
研究し続けた結果、あることに気づいたんです。
営業の先輩は、「正しい販売の方法」を知らなかったんです。
- 専門の知識さえあれば買ってくれる・・・
- 技術を磨き続ければ買ってくれる・・・
- 商品を良さを伝えれば買ってくれる・・・
- 性能の良い商品はお客様にとっていいものだ・・・
- 売りたい商品の特徴をアピールしなければならない・・・
- 他社の悪いところを教えて他社から買うことのデメリット言ったほうがいい・・・
こんな風に思っているんです。
私は間違った売り込みを辞め、自分なりの営業スタイルを確立させることができました。
その手法を使って活動することで段々売れて、売上もどんどん上がってきました。
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「売り込まないストレスのない営業スタイル」は、必要な人に価値を届ける上でとても大切だと実感しました。
しかも「お販売することでお客様から感謝される」という私が求めてきた快感を味わうことができる。
できることで営業が楽しいと思えるようになってきたのです。
求め続けられることで、応え続けようとするようになります。
会社から給料をもらっている以上、会社に利益をもたらすんだ!
だからもっと頑張るんだ!
そうしないといけないと思い込んでしまっていました。
そうすることが使命だと。
頑張ること自体は間違いではありませんよね。
正しい努力の先にしか求めた結果はついてこないのですがから。
一人で突っ走り頑張り続けた営業マンにもついに限界が・・・。
会社のためと思って頑張ってきた営業に対する会社の対応とは?
第5章へ続く。