【第5章】 会社のために利益をだそうと無理に頑張った成れの果てが。。。

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突然ですが、自分より営業成績の下の人に対してどう思いますか?

  • もっと頑張れよ
  • アドバイスしてあげたいな
  • まだまだ出来るよ
  • 勉強が足りないよ
  • お客様目線を考えなよ

その人を助けるように、自分に何かできないか?なんて考えますよね。
あるいは、実際に口を出してしまったりするかもしれません。

未熟な私は、自分の営業スタイルで営業成績が上がってくるといけない部分が出てきちゃったんです。

波に乗って調子にのった挙げ句

困ったときに助けてくれない。
自分よりも成績が悪い。
口ばっかりで実績が伴ってない。

そんな人に対してどう思うのか?

そう「見下す」という最悪の行為に・・・。

上司、先輩を見下しはじめ、態度にも出してしまうという始末。(チョーあかんやつ!)

私のやり方をゴリ押しし始めちゃったんですね。

上司からの命令に背き、自分の考えで行動します。
上司にダメだと反対された案件も、勝手に約束して実行するという横暴

効率を求め出して、どんどん仕事を取ってきて、
一定の品質を保つためにはキャパシティオーバーにも関わらず、
自分の判断で休日出勤もしまくりました。
お客様のためには仕方ないと、正当に聞こえる言い訳を振りかざして

頑張って会社に売上と利益をもたらせば、誰も文句は言わないだろう
と、思い込み、間違った強い使命感からガムシャラに働きました。

そんなときの心理状態といえば、

  • 誰も手伝ってくれない・・・。
  • 相談しても分かるわけがない・・・。
  • 俺ばっかりが頑張ってる・・・。

自分で進んで忙しくしているのに、自分だけが頑張ってるみたいに勘違いしてました。

そして・・・。

ついにやらかします。
作業ミスをしてしまったのです。

正確には指示ミス
ネットワーク機器を取り付ける作業で、お客様に取り付け場所を確認をしなかったのです。

私が現場合わせで適当に決めてしまました。
作業後にその場所だと都合が悪いことが発覚し、 取り付けの変更が必要になるという事態に。

私にしてみれば、大した問題ではないと思ってました。
取り付け位置の変更をして、謝罪した上で再発防止策を講じて、報告すれば終了!

ところが実は大問題だったんです。

取り付けの変更には外注を依頼するしかなく、そこは会社の持ち出し。

原価の追加を余儀なくされたわけですが、大きな金額でもないため、上司に許可の相談をしました。

「案件が赤字になるじゃないか!」
「その分お前の残業はなしだからな!」
「 残業ばっかりしやがって!」
「なんでそんなことになったんだ?」
「ふざけやがって」

労いの言葉なんてありもせず、口から飛び出す罵倒の嵐。

ついにやってはいけないことを

ブチッ!!!

「やりたくてやってんじゃねぇよ!!」
「好きで休日出勤してるわけねえだろ!」

あっ!
言ってしまった。。。

事務所中の空気が凍りつく

静まりかえった雰囲気にいたたまれなくなった私は逃げるようにそのまま事務所の出口へ

出口にむかう私の背中で上司が何か言ってるけど、なにも耳に入らない。


限界でした。

仕事を受注すれば、その分どんどん忙しくなり、
その分頑張って働かないといけないと思い込んでいた私にはとっくに臨界点を超えていたんです。

なんの支援もなく、文句しか言わない上司に対しても。

この一件がさらなる地獄の始まりでした。

悲劇の序章でしかなかった

事務所の中で怒鳴り返された上司の自尊心はズタズタ。

上司はコントロールできない私に対して、完全な敵対心を剥き出しにして攻撃を開始しました。

当然、会社としては上下の力関係があります。
その力を使えば、どんな形でも攻撃ができるわけです。

いわゆる”パワハラ”ってやつ。笑
(当時はまったく笑えない)

当たり前のように会社として報告することにも怒られ、
報告してあったことも聞いてないと怒られ、
相談なんてできる雰囲気じゃないのに相談がないと怒られ、
改善提案をしてもなめてんのか?と怒られ、
数字を上げてきても重箱を突くように足りないことを怒られ。。。

何をしても怒られる日々。

毎日お酒をあびるようにあおる。

帰宅後涙を流すこともありました。

そんな状況を同僚から同情してくれて、居酒屋で愚痴大会をしてましたね。笑

お酒ではなんの解決もしないのに。

それでも認めて手を差し伸べてくれる人がいるというのは私にとっては唯一の救いでした。

その上司が転勤するまで、パワハラはずっと続きました。
よく我慢強く働いてたなぁ。笑

お客様には認めてもらえていたので、それもモチベーションになってたのは間違いない。

社に認めてもらえなくても、お客様が認めてくれれば
それだけで十分だと思ってしまっていたんです。
今となっては、これも間違っていましたが。

この考えでさらに仕事を増やしていったんです。
お客様が喜べばいいと、やらなくてもいいような仕事を次々と。

「お客様に喜んでもらいたい!もっと必要とされたい!どんどん仕事を受注するぞ!」

そんな歪んだことを思い、自分を省みることができていなかったのです。

その時は気づけなかった、しのび寄る次なる限界が突然に。

そいつは突然やってきた

夜眠いはずなのに全然寝付けない日々が。
なかなか寝付けない頭の中をたくさんの自虐的な思考が駆け巡る。

  • もっと自分はできる。
  • 足りてない自分がいけないんだ。
  • あの時こうできたかもしれない。
  • あの準備をしなきゃいけない。
  • あの質問メールに回答ができていない。
  • あの案件の戦略が練れてない。
  • あの資料が作れてない。

こんな思考が駆け巡りつづけると人はどうなると思いますか?

・・・・・・

・・・・・・

朝起きると体が動かない。

仕事のことを考えると全然起き上がれない。

まったく思考が働かない。

会社に電話をすることすらできない。

そうです。
ついに”うつ状態”に。

ひとりの先輩が気づいてくれました。
「お前顔がおかしいぞ。」
「ちょっと休め。」

その人も経験があったため、私の異変に気づいてくれたのです。

精神科から診断書が出て休職状態

大企業なので、福利厚生はしっかりしてるんですよ。
休職すると人事部所属になるのですが、人事部が大所帯。
他にもいるんですねぇ。(全然ブラック企業ではないですよ)

そして、休職中は病院通い。

処方された抗うつ剤づけに。

うつになっても抜本的な解決はなく、ストレスから離れて
薬で症状の軽減しかできないんですね。
あとは運動しろとかのアドバイス。
西洋医学の対処療法はそんなもんかなと。(ディスってるわけではないです)

頑張って会社のために働いた結果が、この現状。
落ち着いてくると、なんだか虚しさしか残りません。

いったい、なんのために頑張ってたんだろ・・・。

こうなりたかったわけがないのに何がいけなかったんだろ・・・。

どうすればもっとうまく行くんだろう・・・。

私は会社に必要とされていないのか?とも考えるようにもなっていました。

抱え込むつもりはなかったのですが、人を見下し期待に応えたいという過度な承認欲求が、
自分自身を追い込み、苦しめていたんだなと思います。

会社のために」と働いてきた私は、自分の人生を生きれてないなと思うようになりました。
ある意味、自分の存在価値を会社に依存していました。

心を病んだことによって人の心って、どうなっているんだろうと興味を持つようになりました。

自分がよりよく生きるための方法について模索を始めます。
そして、40代になってやっと自分で考え人生について考えるようになっていきました。

最終章へ続く。